新潟沖の活断層と震源断層モデル


逆断層

新潟の海域および陸域でみられる活断層の多くは逆断層です。図1、表1に示します。
海底断層ワーキンググループ「日本海における大規模地震に関する調査検討会報告書」から海域の活断層を、 産総研(産業技術総合研究所)活断層データベースから陸域の活断層をピックアップしました。
佐渡(新潟)海盆東縁断層については、「佐渡海盆東縁断層と2007年中越沖地震」(渡辺満久、中田高、鈴木康弘)、「中越沖地震震源域周辺の活断層」を参考にしました。

図1 主な活断層

表1 主な活断層
海域陸域
F341964年新潟地震の震源断層と庄内平野沖の隆起帯を形成した断層(逆断層)A櫛形山脈起震断層(逆断層)
F35大佐渡の北方延長に相当する隆起帯を形成した断層(逆断層)B長岡平野西縁起震断層(逆断層)
F36瓢箪礁(ひょうたんぐり)を隆起させた断層(逆断層)C悠久山起震断層(逆断層)
F37越路礁に対応する断層(逆断層)D常楽寺起震断層(逆断層)
F38佐渡島南東側の断層(逆断層)E十日町起震断層(逆断層、一部正断層あり)
F39佐渡島西方沖の断層(逆断層)F六日町起震断層(逆断層)
F40佐渡島南方沖佐渡堆を隆起させた断層(逆断層)G高田平野東縁起震断層(逆断層)
F41高田沖から親不知沖の断層(逆断層)H高田平野西縁起震断層(逆断層)
Z佐渡(新潟)海盆東縁断層(逆断層)I小田起震断層(逆断層)
J国中南起震断層(逆断層)

活断層の震源断層面モデル

海域の活断層については、日本海における大規模地震に関する調査検討会 「報告書 データ集(2) 断層パラメータの設定」を参照しました。 陸域の活断層については、産総研の活断層データベースを参照しました。
活断層の断層面の傾きは複雑ですが、震源断層面モデルの傾きは、高角度(60°)、中角度(45°)、低角度(30°)に類型化されています。
「東北日本海沖の活断層は、日本海形成時に活動した正断層が、逆断層として反転したものが多い。傾斜角は、形成時は正断層のため高角であったものが、日本海の拡大による地殻の伸展変形の進行に伴って、回転(傾斜)した結果、45°前後の傾斜を示すものが多く見られる。」

図2 活断層の震源断層面

表2 主な活断層のスペック
Noセグメント断層型長さ(L)、幅(W)走向、傾き、傾斜(すべり角)
陸  域
A 櫛形山脈起震断層
A-1加治川逆断層L=16km、W=10kmN40E、45W、西側傾斜
A-2櫛形逆断層L=26km、W=15kmN30E、45W、西側傾斜
B 長岡平野西縁起震断層
B-1弥彦逆断層L=48km、W=20kmN20E、45W、西側傾斜
B-2鳥越逆断層L=20km、W=15kmN30E、45W、西側傾斜
B-3片貝逆断層L=15km、W=10kmN10E、45W、西側傾斜
C 悠久山起震断層
C悠久山逆断層L=15km、W=10kmN30E、45E、東側傾斜
D 常楽寺起震断層
D常楽寺逆断層L=12km、W=10kmN30E、45E、東側傾斜
E 十日町起震断層
E-1十日町盆地西縁逆断層L=33km、W=20kmN30E、45W、西側傾斜
E-2平滝逆断層L=10km、W=10kmN70W、45S、南側傾斜
E-3関田峠正断層L=8km、W= 5kmN60E、60、-
E-4黒岩山逆断層L=13km、W=10kmN20E、45W、西側傾斜
E-5古海逆断層L=14km、W=10kmN60E、45N、北側傾斜
E-6土市逆断層L=29km、W=15kmN20E、45E、東側傾斜
F 六日町起震断層
F-1小出逆断層L=19km、W=10kmN30E、30W、西側傾斜
F-2石打逆断層L=24km、W=15kmN30E、50W、西側傾斜
G 高田平野東縁起震断層
G高田平野東縁逆断層L=25km、W=15kmN30E、45E、東側傾斜
H 高田平野西縁起震断層
H高田平野西縁逆断層L=18km、W=10kmN0E、 45W、西側傾斜
I 小田起震断層
I小田逆断層L=14km、W=10kmN40E、45W、西側傾斜
J 国中南起震断層
J国中南逆断層L=10km、W=10kmN50E、45S、南側傾斜
海  域
F34F34-1逆断層L=71.9km、W=19.7km211°、45°、106°
F34-2逆断層L=52.0km、W=19.7km197°、45°、 97°
F35--逆断層L=99.1km、W=19.2km200°、45°、96°
F36F36-1逆断層L=31.3km、W=19.1km 4°、45°、46°
F36-2逆断層L=23.6km、W=19.1km36°、45°、97°
F37F37-1逆断層L=33.9km、W=18.8km227°、45°、130°
F37-2逆断層L=41.0km、W=18.8km185°、45°、 90°
F38--逆断層L=62.6km、W=23.6km209°、45°、95°
F39F39-1逆断層L=37.3km、W=18.0km350°、45°、67°
F39-2逆断層L=36.9km、W=18.0km 38°、45°、73°
F40F40-1逆断層L=14.7km、W=18.9km 26°、45°、84°
F40-2逆断層L=27.7km、W=18.9km338°、45°、66°
F41F41-1逆断層L=51.5km、W=22.7km37°、45°、 75°
F41-2逆断層L=34.1km、W=22.7km55°、45°、102°
ZZ-A逆断層矩形L=16.0km、W=12.1km40°、45°、--
Z-B逆断層矩形L=12.0km、W=9.5km40°、40°、--

大地震

図3にみるように、海域、陸域でM6、M7クラスの地震が発生しています。

図3 主な大地震
表3 主な大地震
年月日Mag備考
1670/06/22M6.7新潟県西部 寛文西蒲原地震
1751/05/21M7.2新潟県沿岸 宝暦越後高田地震
1762/10/31M7.0佐渡付近 宝暦佐渡地震
1802/12/09M6.7佐渡付近 佐渡小木地震
1804/07/10M7.0象潟(きさがた)地震
1828/12/18M6.9新潟県 文政越後三条地震
1833/12/07M7.5山形県沖 天保出羽沖地震
1847/05/08M7.4長野県北部 善光寺地震
1894/10/22M7.0山形県 庄内地震
1964/06/16M7.51964年新潟沖地震
1993/02/07M6.6能登半島沖
2004/10/23M6.82004年中越地震
2007/07/16M6.82007年中越沖地震
2011/03/12M6.7長野県北部地震
2019/06/18M6.7山形県沖
2024/01/01M7.62024年能登半島沖地震



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